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値上げされる側から、値上げする側へ――インフレ時代の投資発想

家庭経済投資・運用

2026年09月23日

値上げされる側から、値上げする側へ――インフレ時代の投資発想

 

今月、またまた食品が値上げ!

「また値上げか。(;’∀’)(-_-;)汗」

スーパーやコンビニで、そんなため息をつく機会が増えていませんか?

10月以降も、私たちの身近な食品で価格改定が相次ぎます。

ビール類は4~12%程度、その他の酒類は1~17%。

飲料は6~15%、嗜好飲料は16~22%。

さらに、マヨネーズ・ドレッシングは1~30%、シリアルは10~20%、菓子は3~12%、ジャムは4~12%。

畜肉加工食品に至っては2~34%、チーズも4~26.5%。

ほかにも、缶詰、乾麺、レトルト食品、こうや豆腐、みりん、食酢ドリンク、寿司の素、スープ、即席味噌汁、冷凍食品、健康食品、ベビー関連商品、焼肉のたれ、だしの素などなど。

まさに、「いつもの食卓」に値上げの波が押し寄せている状況です。

 

では、なぜ企業は値上げするのでしょうか?

もちろん、原材料費や人件費、物流費、エネルギーコストなど、さまざまなコスト上昇が背景にあります。

しかし、ここで考えてみたいのが、

「すべての企業が、同じように値上げできるのか?」

ということです。

 

一般的に考えると、企業は大きく、

値上げできる企業と

値上げしたくても、なかなかできない企業

に分かれます。

 

もちろん、すべての企業に当てはまるわけではありません。

しかし、一般論として、大手企業には「価格を改定できる力」があります。

ブランド力がある。

商品に代替されにくい強みがある。

販売網がある。

取引先との交渉力がある。

 

そして、消費者に「多少高くなっても、この商品を買う」という選択をしてもらえる。

だからこそ、コストが上昇すれば、販売価格に転嫁することができるわけです。

一方で、中小企業はどうでしょうか。

「原材料が上がったので、来月から10%値上げします」

と簡単には言えない企業も少なくありません。

取引先との力関係。

競合との価格競争。

顧客離れへの不安。

「値上げしたら他社に仕事を取られるのではないか」という懸念。

結果として、コストが上昇しても販売価格に十分転嫁できず、利益が圧迫されることになります。

 

日本企業の99.7%は中小企業

ここで忘れてはいけない数字があります。

日本の企業数を見ると、中小企業が約99.7%、大企業は約0.3%と言われています。

つまり、日本経済を支えている企業の圧倒的多数は中小企業です。

ところが、その中小企業が、

「原材料が上がった」

「人件費が上がった」

「電気代が上がった」

「物流費が上がった」

という状況に直面している。

それでも、販売価格を十分に上げられなければ、どうなるでしょうか?

当然、利益が減ります。

利益が減れば、設備投資にも慎重になります。

 

人材への投資にも慎重になります。

新しい事業にも慎重になります。

つまり、

コスト上昇 → 利益減少 → 投資抑制

という流れが起こりやすくなります。

 

そこに「利上げ」が加わる。

さらに、現在の企業経営を考えるうえで無視できないのが、金利です。

景気が力強く回復しているとは言い切れない中で金利が上昇すれば、企業にとって資金調達コストは上がります。

特に、これから設備投資を考えている企業にとっては、

「今、借入をしてまで設備投資をするべきなのか?」

という判断が、より難しくなります。

もちろん、すべての企業が借入に依存しているわけではありません。

しかし、

「物価は上がる」

「人件費も上がる」

「金利も上がる」

「それでも販売価格は簡単には上げられない」

という企業にとっては、決して楽な環境ではありません。

 

では、我々に「逃げ道」はないのか?

ここからが、個人として考えておきたいポイントです。

企業経営者であれば、

「どうすれば値上げできる会社になれるのか?」

を考える必要があります。

 

では、会社員や個人としてはどうでしょう?

物価が上がれば、生活コストは上がります。

一方で、自分の給与が同じように上がるとは限りません。

銀行に預けている現金も、額面そのものは減らなくても、物価が上がれば実質的な購買力は低下します。

そこで、ひとつの選択肢になるのが、

 

「値上げされる側」から「値上げする側」へ

 

一言でいうと「値上げできる企業の株を持つ」

という考え方です。

もちろん、株式投資ですから価格が下落するリスクはあります。

しかし、企業を見るときに、

「この会社は、コストが上がったときに販売価格へ転嫁できる会社なのか?」

という視点を持ってみる。

 

iPhoneは30万円台に!が話題のアップルといったハイパースケーラーや、

AI半導体の巨人と称されるエヌビビディア。

また、みなさんご存じのエルメス、ルイビトン。

また、フェラーリ、ランボルギーニとかもですね。

 

みな、圧倒的な強いブランド力を持っている。

他社には簡単に真似できない商品やサービスを持っている。

価格を上げても顧客が離れにくい。

市場で高いシェアを持っている。

こうした企業には、価格決定力(プライシングパワー)がある場合があります。

インフレの時代には、この「価格を上げられる力」が企業の収益力を考えるうえで重要なポイントの一つになります。

 

「値上げされる側」から「値上げする側」へ

私たちは普段、

「また食品が値上げした」

「ガソリンが高い」

「電気代が高い」

と、値上げをされる側として物価上昇を感じています。

しかし、投資という視点を持つと、少し見え方が変わります。

値上げによって支出が増える側だけではなく、

「値上げによって売上や利益を守ることができる企業」

の側にも参加することができます。

もちろん、値上げできる企業の株価が必ず上昇するわけではありません。

投資には業績、バリュエーション、金利、為替、競争環境など、さまざまな要因が影響します。

だからこそ、単純に「大企業だから買う」という話ではありません。

大切なのは、

「この会社には、物価上昇を価格に転嫁できる力があるのか?」

という視点です。

値上げのニュースを見たとき、

「また家計が苦しくなる(汗)」

だけで終わらせるのではなく、

「この値上げによって、利益を守れる企業はどこなのか?」

と考えてみる。

これも、インフレ時代のお金との付き合い方の一つなのかもしれません。

「値上げされる側」から、「値上げできる企業のオーナー側」へ。

そんな発想で、ニュースを見てみると、普段とは少し違った景色が見えてくるかもしれません。

 

宮本新治

 

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