2026年08月20日
「家を買いたいけれど、以前より住宅価格が高くなっている……」
「住宅ローンを申し込んだら、希望額まで借りられなかった……」
「夫婦の収入を合わせれば、もう少し借りられるのでは?」
住宅購入を考える子育て世帯にとって、今は以前よりも資金計画が難しくなっています。
住宅価格だけでなく、建築費や土地価格、物価など、住宅取得に必要な費用そのものが変化しています。
さらに、住宅ローンについても、金利上昇リスクを考えておく必要があります。
国土交通省も、住宅価格や住宅ローン金利の上昇を踏まえ、住宅ローン利用者が金利リスクを理解することが重要だとして、注意喚起を行っています。
では、これから家を購入する子育て世帯は、何に注意すればよいのでしょうか。
ポイントは、「いくら借りられるか」ではなく、「どう借りるか」です。
例えば、「建物3,500万円だから、3,500万円を借りればいい」と考えてしまうのは危険です。
実際の住宅購入では、土地・建物以外にもさまざまな費用が発生します。
例えば、
などです。
つまり、「家そのものの価格」=「家を取得するために必要なお金」ではありません。
住宅購入を考えるときには、まず「実際に住み始めるまでに、総額でいくら必要なのか」を確認することが大切です。
ここは特に注意したいポイントです。
新築住宅では、
などの外構工事が必要になることがあります。
ところが、住宅メーカーから提示された「建物価格」だけを見ていると、これらの費用が十分に含まれていないことがあります。
その結果、「家は完成したけれど、外構工事にさらに数百万円必要だった」
ということになりかねません。
そこで重要なのが、住宅ローンを検討する段階で、外構工事の見積もりも取っておくこと。
そして、その費用を住宅ローンの対象にできるかどうかを、借入予定の金融機関に確認することです。
ここで注意したいのは、外構工事を住宅ローンに含められるかどうかは、すべての金融機関で同じではないということです。
例えば八十二長野銀行の住宅ローンの商品概要では、住宅の新築・購入、土地購入資金に加えて「諸費用」が使途として記載されています。一方、同行には別途「リフォーム・エクステリアローン」があり、門・塀・物置・付帯設備工事、造園、エクステリア商品購入などが対象として明記されています。
つまり、「外構費だから必ず住宅ローンに入れられる」
とも、「外構費だから住宅ローンには入れられない」とも、一律には言えません。
住宅ローンの申し込み前に、「外構工事費も住宅取得に必要な費用として借入対象になりますか?」
と金融機関に確認しておきましょう。
住宅購入では、
「頭金をたくさん入れて、借入額を減らした方がいい」
と考える人も少なくありません。
確かに、借入額が少なくなれば、利息負担を抑えられる可能性があります。
しかし、子育て世帯の場合、手元のお金を住宅購入に使い切ってしまうことにも注意が必要です。
住宅を購入した後には、
など、さまざまな支出が考えられます。
そのため、「頭金をいくら入れるか」だけではなく、「購入後にいくら現金を残すか」
も同時に考える必要があります。
共働き世帯の場合、夫婦それぞれの収入を住宅購入に活用する方法があります。
代表的なものとして、
収入合算やペアローンなどがあります。
また、金融機関によっては夫婦連帯債務型の商品もあります。
ただし、これらは同じものではありません。
例えばペアローンでは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約する形になります。
借入可能額を増やせる可能性がある一方で、夫婦それぞれが借入を負うことになるため、単純に
「二人の年収を足せば、もっと高い家を買える」
と考えるのは危険です。
特に子育て世帯では、
出産・育児による収入変化や教育費の増加なども考えておく必要があります。
住宅ローンの審査では、住宅ローン以外の借入も考慮されます。
例えばフラット35では、住宅ローン以外にも、
などを含めて年間返済額を確認する仕組みになっています。
そのため、「住宅ローンだけなら返済できる」
と思っていても、他の借入を含めると審査上の返済負担が大きくなることがあります。
住宅購入を考え始めたら、現在の借入を一度すべて洗い出す。
これだけでも重要な準備になります。
住宅価格が上昇する中、返済期間を長くして月々の返済額を抑える住宅ローンも選択肢になっています。
一方で、返済期間を長くすると、一般に返済期間が短い場合と比べて総支払利息が増える可能性があります。
したがって、
「40年ローンなら月々が安いから得」とは言えません。
逆に、「35年ローンでなければダメ」というものでもありません。
重要なのは、現在の家計だけでなく、子どもの教育費が増える時期まで含めて返済計画を考えることです。
ここも非常に悩ましい問題です。
変動金利には、一般に固定金利より低い金利水準で借りられる可能性がある一方、将来の金利上昇によって返済負担が増えるリスクがあります。
一方、固定金利は、借入時点で将来の返済額を見通しやすいという特徴があります。
どちらが絶対に正解というものではありません。
大切なのは、「金利が上がったら、この家計はどうなるか?」を考えておくことです。
例えば変動金利を選ぶ場合でも、
「今の返済額なら大丈夫」だけではなく、
金利が上昇した場合にも、教育費や生活費を維持できるのかを確認しておくことが重要です。
住宅ローンで最も重要なのは、ここかもしれません。
金融機関から、「この金額まで借りられます」と言われても、
「その金額を借りるべきです」という意味ではありません。
例えば、子どもがまだ小さい家庭なら、今後、
幼稚園・保育園
↓
小学校
↓
中学校
↓
高校
↓
大学
と、教育費が変化していきます。
さらに、車の維持費、生活費、住宅の維持費などもあります。
だからこそ住宅ローンは、
「今の家計で返せるか」ではなく、「10年後、15年後も返せるか」という視点が必要です。
ここで一つ覚えておきたいことがあります。
住宅ローンの審査結果が希望どおりにならなかった場合、
「もう家は買えない」
とすぐに結論を出す必要はありません。
もちろん、審査基準は金融機関によって異なり、必ず別の金融機関なら借りられるという保証もありません。
しかし、
など、資金計画そのものを見直す余地はあります。
一つの審査結果だけで、住宅購入そのものを諦めるのではなく、「なぜ希望額まで借りられなかったのか」を確認することが大切です。
住宅購入は、人生の中でも非常に大きな買い物です。
だからこそ、「いくらの家が買えるか」から考えるのではなく、
「家を買った後も、家族が安心して暮らせるか」から逆算することが重要です。
特に子育て世帯では、
住宅ローン + 教育費 + 生活費 + 将来の資金準備を一緒に考えなければなりません。
そして、住宅ローンを比較するときには、金利だけを見るのではなく、
借入額・返済期間・金利タイプ・団体信用生命保険・諸費用・外構工事などの付帯費用
まで含めて比較することが大切です。
これから住宅を購入する方に、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
「住宅ローンは、借りられるだけ借りるものではありません。」
そして、
「住宅の価格=住宅購入に必要なお金」でもありません。
土地、建物、外構、諸費用。
そして、購入後の教育費や生活費。
それらをすべて含めて、
「この家を買っても、子どもの将来を守れるのか?」という視点から住宅ローンを考える。
それが、これからの住宅購入ではますます重要になってくるのではないでしょうか。
人生で”一番高額な買い物”は、このように広い視点で考えましょう!
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宮本新治
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