2026年09月29日
「去年まで100円だったものが、今年は110円になっている」
そんな経験が、当たり前になってきました。
食品、日用品、電気、ガス、ガソリン、住宅……。
私たちが生活するために必要なものの価格が上がれば、同じ10万円を持っていても、以前と同じ量のものを買うことができません。
これが、**インフレ(物価上昇)による「お金の価値の低下」**です。
だから私は、インフレを、
「見えないステルス増税」
と考える必要があると思っています。
例えば、現金100万円をそのまま持っていたとします。
物価が2%上昇すると、単純化すれば、1年後には100万円で買えるモノやサービスの量が、以前より少なくなります。
銀行口座の残高は、
100万円 → 100万円
です。
しかし、その100万円で買えるものは減っています。
つまり、
「お金の額は減っていないのに、購買力が減っている」
のです。
これがインフレの怖さです。
税金なら、給与明細などで「いくら取られたか」を確認できます。
ところがインフレによる購買力の低下は、口座残高に表示されません。
だからこそ、私は「見えない税金」と表現しています。
日本銀行の2026年7月の見通しでは、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、2026年度2.5%、2027年度2.4%、2028年度2.0%とされています。
つまり、少なくとも日本銀行の現在の見通しでは、今後も物価が上昇する状態が続くと考えられています。
もちろん、これは「必ずこの数字になる」という予言ではありません。
原油価格、為替、賃金、海外情勢、政府の物価対策などによって、実際の物価上昇率は変わります。
しかし、
「これから物価が上がらなくなるから、現金だけ持っていれば大丈夫」
と考えるのも危険です。
むしろ重要なのは、
「これからも物価が上がる可能性を前提に、資産をどう守るか」
という視点ではないでしょうか。
ここで注目したいのが「企業」です。
例えば、原材料費が10%上昇したとします。
その企業が、
「原材料が上がったので、商品の価格も10%上げます」
と価格転嫁できれば、利益を守れる可能性があります。
一方で、
「値上げしたらお客様が離れてしまうので、価格を上げられない」
という企業であれば、原材料費の上昇が利益を圧迫する可能性があります。
つまり、インフレ時代に注目したい企業の一つが、
「価格転嫁力を持っている企業」
です。
日本銀行の分析でも、2020年以降の物価上昇局面では、幅広い分野で企業による価格転嫁が以前より積極化していることが示されています。
株式投資は、インフレに対抗するための有力な手段の一つです。
なぜでしょうか?
株式とは、簡単に言えば「企業の価値の一部」を持つことです。
企業が、
・商品やサービスの価格を引き上げる
・売上を伸ばす
・利益を増やす
・設備や人材に投資する
・海外市場へ進出する
などして企業価値を高めていけば、その企業の株式価値にも反映される可能性があります。
もちろん、株価は企業業績だけで決まるものではありません。
金利、為替、景気、投資家心理など、さまざまな要因で上下します。
したがって、
「株を持てば必ずインフレに勝てる」
という話ではありません。
しかし、長期的な資産形成を考えるのであれば、
現金だけで資産を持つのではなく、企業の成長力を資産形成に取り込む
という考え方には意味があります。
投資にはリスクがあります。
株価は上がることもあれば、下がることもあります。
だから、
「株は怖いから、全部現金にしておこう」
と考える人もいるでしょう。
しかし、ここで一度考えてみてください。
現金にも「インフレリスク」があります。
例えば、物価が毎年2%上昇すると仮定すると、同じ100万円でも、長い時間が経てば買えるものは少なくなっていきます。
つまり、
「投資しない=リスクゼロ」
ではありません。
株価の下落リスクを取らない代わりに、インフレによって購買力が低下するリスクを負っているとも考えられます。
インフレ時代に株式投資を考えるなら、単純に「株価が上がりそう」という理由だけで選ぶのではなく、
「この会社は値上げできる会社なのか?」
という視点を持ってみるのも一つです。
例えば、
・ブランド力がある
・他社に簡単に置き換えられない
・価格を上げても需要が落ちにくい
・高い利益率を維持している
・市場シェアが高い
・継続的に売上・利益を伸ばしている
こうした特徴を持つ企業は、インフレ環境で価格転嫁を行える可能性があります。
もちろん、これだけで「優良企業」と決めつけることはできません。
財務内容や成長性、株価水準なども含めて考える必要があります。
インフレ時代に大切なのは、
「いくら持っているか」だけではなく、「そのお金がどんな資産になっているか」
です。
現金は、生活費や緊急資金として非常に重要です。
しかし、10年、20年という長い期間の資産形成を考えるのであれば、現金だけではなく、株式などの資産を組み合わせることも選択肢になります。
インフレによって物価が上昇していくなら、
「お金を守る」だけではなく、「お金にも働いてもらう」
という発想が必要になってくるのです。
インフレは、ある日突然、
「あなたの資産が10%減りました」
と通知してくるわけではありません。
100円だったものが110円になる。
毎月10万円だった生活費が、少しずつ増えていく。
10年前なら買えたものが、今では買えない。
そうやって静かに、私たちの購買力を奪っていきます。
だからこそ、
「インフレ=見えないステルス増税」
という視点を持つ。
そして、
現金・預金だけで守るのか。
それとも、企業の成長力にも資産を託すのか。
長期的な資産防衛を考えるうえで、一度真剣に考えてみる価値があるテーマではないでしょうか。
「もう少し勉強してみたい」と思われるようでしたら‥
「勧誘、迷惑営業なし!」「クレームゼロ!」の子どもと家族の未来を考える会®マネー講座の参加をご検討ください。
また、小規模な「投資、教育資金、住宅ローン」などのお金の勉強会の開催を希望される方は、遠慮なく当会に問合せ下さい。
オンラインの場合は無料開催可能です。
宮本新治
※株式投資には元本割れのリスクがあります。本稿は特定の金融商品や銘柄の購入を勧めるものではありません。投資を行う際は、ご自身の資産状況や投資目的、リスク許容度などを踏まえて判断してください。
#インフレ #物価高 #ステルス増税 #見えない税金 #インフレ対策 #資産防衛 #資産形成 #株式投資 #株式投資初心者 #長期投資 #価格転嫁 #企業価値 #家計防衛 #現金 #購買力 #子育て世帯 #家族のお金 #家族の未来 #子供と家族の未来を考える会