2026年09月18日
「最近、スーパーに行くたびに、また高くなった気がする……」
そんな実感を持っている方も多いのではないでしょうか。
実際、2026年9月には、食品や飲料だけで4,923品目もの値上げが予定されています。1か月の値上げ品目数としては、2026年で最多です。
その背景には、原材料費や人件費、物流費だけでなく、中東情勢による原油・ナフサ価格の上昇もあります。帝国データバンクによると、9月の食品値上げでは「中東情勢」が要因となったものが27.8%に達しています。
そして、注意したいのは食品だけではありません。
電気、ガス、ガソリン、そしてこれから冬を迎えると「灯油」まで……。
私たちの生活に必要なエネルギーにも、物価上昇の影響が及んできます。
ニュースで耳にする「ホルムズ海峡」。
日本から遠く離れた場所ですが、ここは世界のエネルギー輸送にとって非常に重要な海峡です。
現在も一部の船舶は通過しているものの、物流は平時の状態には戻っていません。
では、これがなぜ日本の食品価格や電気代、ガソリン価格などにつながるのでしょうか。
答えは、**「原油」と「物流コスト」**です。
危険を避けるために、本来の航路を変更すれば、船はより長い距離を走ることになります。
そうなれば、
・燃料費が増える
・輸送時間が長くなる
・船員などの人件費が増える
・保険料などのコストが上がる
・船の回転率が落ちる
といった問題が発生します。
そして、そのコストは最終的に商品の価格へ反映される可能性があります。
つまり、
中東で物流が混乱する
↓
原油や輸送コストが上昇する
↓
日本に届く商品のコストも上がる
↓
スーパーの商品価格にも影響する
という流れです。
さらに忘れてはいけないのが、電気とガスです。
電気料金には、燃料価格の変動を反映する「燃料費調整制度」があります。
例えば東京電力では、2026年9月分の電気料金について、燃料価格などをもとに燃料費調整単価が算定されています。つまり、国際的なエネルギー価格の変動は、日本の家庭の電気料金にも影響し得る仕組みになっています。
都市ガスについても、原料価格の変動に応じて料金が調整されます。
つまり、
「海外の原油価格が上がった」
というニュースは、単にガソリンスタンドの話ではありません。
時間差を伴いながら、
電気代やガス代にも影響する可能性がある。
ということです。
子育て世帯にとって、もう一つ身近なのがガソリンです。
通勤や買い物、子どもの送迎、習い事、部活動、休日のお出かけ……。
車を使う家庭にとって、ガソリン価格の上昇は、そのまま毎月の生活費に跳ね返ってきます。
そして、これから秋が深まり、冬を迎えると、さらに気になるのが**「灯油」**です。
特に寒冷地では、暖房や給湯などに灯油を使う家庭も少なくありません。
2026年8月17日時点の灯油全国平均店頭価格は、18リットルあたり2,532円、1リットルあたり約140.7円でした。前年冬の平均と比べても高い水準となっています。
もちろん、今後の灯油価格がどこまで上昇するかは、原油価格や為替、政府の支援策などによって変わります。
しかし、
「冬になれば暖房費が増える」
という家庭にとって、燃料価格の動きは無視できません。
ここまで考えると、今回の物価上昇は単純に、
「食品がまた値上げされた」
という話ではないことが分かります。
子育て家庭の家計を考えてみると、
食品
+ 電気
+ ガス
+ ガソリン
+ 灯油
+ 日用品
+ 教育費
と、生活に必要なさまざまなところでコストが発生しています。
一つひとつの値上げは数十円、数百円でも、積み重なれば家計への影響は大きくなります。
そして、これから迎えるのが年末です。
クリスマス、冬休み、お正月、帰省、旅行、お年玉……。
子育て世帯にとっては、普段より支出が増えやすい時期です。
そこへ食品価格の上昇、電気・ガスなどの光熱費、ガソリン、そして冬の灯油まで重なれば、
「いつもと同じ生活をしているのに、なぜかお金が残らない」
ということも起こり得ます。
物価が上がったとき、
「もっと節約しなければ」
と考えるのは当然です。
しかし、節約には限界があります。
食費を削り続ければ、家族の楽しみまで減ってしまいます。
そこで大切なのが、
「使うお金を減らす」だけではなく、「お金の使い方を整理する」こと。
例えば、
・毎月なんとなく支払っている固定費はないか
・使っていないサブスクはないか
・電気や通信などの契約を見直せないか
・保険の内容は現在の家族構成に合っているか
・住宅ローンや教育費の将来負担は大丈夫か
・預貯金と将来のためのお金を、きちんと分けているか
こうした点を一度整理するだけでも、家計の見え方は変わります。
これからの家計では、
「物価が下がって、昔の価格に戻るかもしれない」
と考えるより、
「物価が上がることを前提に、家計をどう守るか」
という視点が重要になってきます。
特に子育て世帯は、教育費など「今すぐには減らせない支出」もあります。
だからこそ、
年末になってから慌てるのではなく、今のうちに家計を点検する。
これが、物価上昇への身近な備えになるのではないでしょうか。
遠く離れた中東で起きている出来事が、
食品の値札になり、
電気・ガス料金になり、
ガソリン代になり、
そして冬には灯油代になって、
私たちの家計にやってくる。
「ホルムズ海峡なんて、自分の生活には関係ない」
と思っていたニュースが、実は毎日の暮らしとつながっています。
年末に向けて支出が増える前に、まずは一度、家計をチェックしてみませんか?
物価上昇は止められなくても、家計への備えは今から始められます。
「家計のコストカットをしたい」と思われるようでしたら‥
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宮本新治
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