2026年09月03日
「大学費用、結局いくらかかる?」 高校無償化・児童手当まで、子育て家庭が今こそ知っておきたい教育費の話
「子どもの教育費って、結局いくら準備すればいいの?」
子育て世帯にとって、教育費は住宅費と並ぶ大きな支出の一つです。 しかも、最近は物価上昇の影響もあり、「大学まで進学させるとなると、いったいいくら必要なのか分からない」というご家庭も少なくありません。
実際、教育資金に不安を感じている保護者は多く、その理由として「物価上昇」が大きな要因になっています。
では、実際の教育費はどのくらいかかるのでしょうか。
■ 大学だけでも、かなりの金額になる
文部科学省の調査によると、私立大学の初年度納付金は、授業料・入学料・施設設備費を合わせると、平均で約151万円となっています。
つまり、「私立大学に進学すると、初年度だけで150万円前後かかる」というのは、決して珍しい話ではありません。
そして、これはあくまで大学全体の平均です。 学部・学科によって、実際に必要となる金額は大きく変わります。
例えば、我が家の場合、娘が清泉女学院大学(長野市)の看護学科に通っていますが、学費等で年間約150万円かかっています。
もちろん、これは我が家の実際のケースですので、すべての学生に当てはまるわけではありません。
ただ、「大学費用は年間100万円程度だろう」と漠然と考えていると、実際の支出とのギャップに驚くことがあります。
さらに大学の場合、授業料だけではありません。
入学金・施設設備費
教材費・実習費
通学費
一人暮らしの場合の生活費
資格取得に関する費用
など、学部や生活環境によってさまざまな費用が発生します。 特に看護・医療系など、実習を伴う学科では、一般的な大学とは必要となる費用が異なる場合があります。
■ 実は「大学生の約半数」が奨学金を利用している
こうした大きな学費の負担に対して、「預貯金だけで準備するのは難しい」と感じるご家庭も少なくありません。
実際、日本学生支援機構(JASSO)などの調査によると、現在、大学生の約半数(約50%=2人に1人)が何らかの奨学金を利用しているというデータがあります。[注]
かつては「特別な事情があるご家庭が使うもの」というイメージのあった奨学金ですが、今や「大学費用を準備・補填するための一般的な選択肢」として定着しているのが現実です。
だからといって「奨学金があるから準備しなくても大丈夫」ということではありません。 無利子・有利子の貸与型奨学金の場合、卒業後に返還していくのは子ども自身です。
「親としてどこまで準備し、どこから奨学金を活用するのか」という線引きを、子どもが小さいうちから考えておくことも大切になってきます。
■ 「高校無償化=高校にお金がかからない」ではありません
2026年度から、高校授業料の支援制度は大きく拡充され、所得制限が撤撤されました。 これによって、多くのご家庭にとって高校の授業料負担は軽くなることが期待されます。
ただし、ここで注意したいのが、 「高校無償化=高校生活にかかるお金がゼロ」ではない ということです。
制服、教材、通学費、部活動、学校行事、ICT関連費用など、授業料以外にもさまざまな支出があります。 制度が拡充されたからといって、「高校はほとんどお金がかからない」と考えるのは少し危険です。
■ 児童手当も「教育資金」として考える
児童手当についても、2024年10月から制度が大きく拡充されています。 現在は所得制限がなくなり、高校生年代まで支給対象となっています。 さらに、第3子以降については月額3万円となっています。
児童手当を生活費としてそのまま使うのではなく、子どもの将来の教育資金として積み立てていくという考え方もできます。
例えば、毎月の児童手当を少しずつ積み立てるだけでも、長期間では大きな金額になります。
■ 「いつから、いくら準備するか」が重要
教育費について考えるとき、最も重要なのは、 「大学に入る直前になって慌てないこと」 ではないでしょうか。
高校までは公的な支援制度が拡充されていますが、大学進学となると、まとまった資金が必要になります。
しかも、
「国公立に行くのか、私立に行くのか」
「自宅から通うのか、一人暮らしなのか」
「文系なのか、理系なのか、医療・看護系なのか」
によって、必要な教育資金は大きく変わります。
だからこそ、 「大学費用は○○万円」と一律に考えるのではなく、我が家の場合はいくら必要なのかを早めに計算しておくことが大切です。
■ 教育資金は「貯める」だけでなく「準備方法」も考える
教育資金というと、銀行預金だけをイメージする方も多いでしょう。 もちろん、数年以内に使う予定のお金は、価格変動のリスクを抑えて確保しておくことが基本です。
一方で、大学進学まで10年以上あるお子さんの場合には、預貯金だけで準備するのか、長期・積立による資産形成も組み合わせるのかなど、家庭の状況に応じて考える余地があります。
NISAなどの制度を活用する方法もありますが、投資には元本割れの可能性があります。
大切なのは、
「教育費はいくら必要なのか」
「いつ必要になるのか」
「それまでに、どのような方法で準備するのか」
という順番で考えることです。
■ 教育費は「平均」より「我が家」で考える
大学費用の平均額を見ることは、とても参考になります。
しかし、平均はあくまで平均です。 我が家の娘のように、実際に年間約150万円かかるケースもあります。 そして、大学4年間なら、それだけで単純計算して約600万円。 さらに一人暮らしとなれば、生活費なども加わります。
だからこそ、子どもが小さいうちから、 「大学に行くとしたら、我が家ではどのくらい必要になるのか?」 を一度計算してみることをおすすめします。
教育費は、必要になってから準備するのではなく、時間を味方につけて早めに準備することが大切です。 高校無償化、児童手当などの制度や奨学金情報を上手に知っておきながら、ご家庭に合った教育資金の準備方法を考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事は2026年9月時点の制度・公表資料をもとに作成しています。制度や金額は今後変更される場合があります。 [注]日本学生支援機構(JASSO)「学生生活調査」等に基づくデータ。
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宮本新治
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