知って得する
お金や保険のこと

「株の利益は20.315%」だから安心?――分離課税でも「他の所得」と関係する税制

家庭経済

2026年11月04日

「株の利益は20.315%」だから安心?――分離課税でも「他の所得」と関係する税制

「株式投資の利益は20.315%の分離課税だから、どれだけ増えても給与や他の収入には影響しないよね?」

新NISAの普及に伴い、将来の教育資金や資産形成のために株式投資を始めるご家庭が増えています。しかし、「分離課税だから他の所得とは完全に別」とは言い切れない制度が存在することをご存じでしょうか?

今回は、知っておくべき「税制の二重構造」と「2027年分からの変更点」について分かりやすく解説します。

1. 原則は20.315%(分離課税)の仕組み

上場株式等の売却益や配当にかかる税金は、原則として以下のとおりです。

  • 所得税・復興特別所得税: 15.315%

  • 住民税: 5%

  • 合計: 20.315%(分離課税)

※参考:国税庁「上場株式等に係る譲渡所得等の課税」

給与所得などの「総合課税」とは切り離して計算されるため、通常はどれだけ株で利益が出ても、給与にかかる税率が上がるといったことはありません。

2. 「えっ、合算される!?」高額所得者対象の判定ルール

ところが、2023年に導入された「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」という制度があります。

これは、株の利益そのものの課税方式が変わるわけではありませんが、「追加の負担が必要な高額所得者かどうか」を判定する「基準所得金額」の計算において、分離課税の所得も含めて合算するという仕組みです。

  • 基準所得金額 = 総所得金額(給与・事業・不動産等) + 分離課税の各種所得金額(株式譲渡益等)

つまり、「株の税金自体は20.315%で計算するけれど、対象かどうかを決める計算には合算される」という二重構造になっているのです。

※参考:国税庁「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」

3. 2027年分から「特別控除額が半減」へ

さらに注意したいのが、2027年分の所得税から予定されている制度の見直しです。

  • 特別控除額: 3億3,000万円 → 1億6,500万円へ半減

  • 税率: 22.5% → 30%へ引き上げ

  • 財務省の増収見込み: 約2,870億円

※参考:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

「1億6,500万円なんて自分には関係ない」と思うかもしれません。確かに一般的な投資家にとって直ちに影響するものではありませんが、注目すべきは「控除額が半分に引き下げられた」という事実です。

今後も制度が見直されていく可能性(いわゆるステルス増税)や、現在議論が進められている「NISA口座の利益と社会保険料の算定」の行方など、将来の資産形成においては税制のトレンドを注視しておくことが不可欠です。

4. 今回のまとめ(大切な5つのポイント)

  1. 株式の利益は原則20.315%の分離課税

  2. ただし、極めて高い所得に対する別の負担制度がある

  3. 判定用の「基準所得金額」では、分離課税の所得も合算して計算する

  4. 2027年分から特別控除額が3億3,000万円 → 1億6,500万円に半減

  5. 「自分には無関係」と決めつけず、今後の税制改正やNISAの議論を注視する

税金は利益が出てから慌てるのではなく、「正しい仕組みを知ったうえで選択する」ことが大切です。NISA、特定口座、確定申告などを正しく理解し、長期的な視点で大切なご家族の資産を守っていきましょう。

★本稿は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。税制は今後変更される可能性があります。個別の税務については、税理士等の専門家にご確認ください。

  • #子供と家族の未来を考える会

  • #未来を考える会

  • #マネーセミナー

  • #金融教育

  • #資産形成

  • #税制改正

  • #分離課税

  • #NISA

  • #新NISA

  • #子育て世代のマネー知識

  • #将来の備え

  • #家族の未来

前の記事一覧へ戻る