2026年08月26日
「みんな投資を始めている」は本当? NISAをまだ始めていない子育て世帯へ
――焦らず、わが家に合った資産形成を
「友人がNISAを始めた」 「職場でも投資の話をする人が増えた」 「テレビでも新NISAの話ばかり……」
そんな話を聞くと、「うちも、そろそろ投資を始めた方がいいのかな?」と感じることはありませんか?
特に子育て世帯の場合、住宅ローンや教育費、日々の生活費など、これから必要になるお金がたくさんあります。
「投資を始めたいけれど、何を買えばいいのか分からない」
「そもそも、投資に回せるお金がない」
「損をするのが怖い」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、まず知っておいていただきたいことがあります。まだ金融資産の運用を始めていないからといって、慌てる必要はまったくありません。
「周りがみんな投資している」の真相
2024年に新NISAがスタートしてから、資産形成や投資に対する関心は確実に高まっています。金融庁の調査でも、口座数や買付額は増加傾向にあります。
しかし、「NISAを利用する人が増えたこと」と「国民の多くがまとまった金額を投資していること」はイコールではありません。
実際、日本証券業協会の調査などを見ても、投資額や運用状況には大きな幅があります。
「国民の2割弱しかまとまった投資をしていない」という試算もあるように、周りがみんな投資をしているように見えても、実際には投資をしていない人や、ごく少額から試している人が大半です。
「うちだけ遅れているのでは?」と焦る必要はどこにもありません。
なぜ「投資も選択肢」と言われるのか?
では、なぜこれほど投資が必要だと言われるのでしょうか。大きな理由の一つが「物価上昇(インフレ)」です。
例えば、現在100万円で購入できるものが、将来も100万円で買えるとは限りません。物価が上がると、相対的に「現金の価値」が下がってしまうためです。
子育て世帯には、長期間にわたってさまざまな支出が重なります。
子育て世帯の主な支出: 食費 / 光熱費 / 教育費 / 住宅費 / 車両費 / 日用品など
そのため、「銀行にお金を預けておけば100%安心」という考え方だけでなく、「長期間使わないお金をどう守り、準備していくか」という視点も大切になってきています。
だからといって「すぐ投資」はNG!資金の優先順位
「物価が上がっているから」と焦って、生活に必要な資金まで投資に回してしまうのは非常に危険です。お金の準備には、明確な優先順位があります。
日々の生活に必要なお金(日常の生活費)
万一のときに備えるお金(病気・ケガ・失業などの予備費)
近い将来使う予定のお金(数年内の教育費やイベント費)
【大切なお金の色分け】 これら1〜3をしっかり確保したうえで、初めて「当面使う予定のないお金(余剰資金)」を資産形成に回す。これが鉄則です。
「教育費」を投資に回しても大丈夫?
子育て世帯にとって一番気になるのが教育費の準備です。ここで重要になるのは「いつ使うお金なのか」という時間軸です。
使うまで近い(例:高3で来年大学進学): 価格変動リスクのある金融商品に頼るべきではありません。確実に確保できる預貯金などが適しています。
使うまで時間がある(例:現在小さなお子様で10〜15年後): 長期的な資産形成として、一部を運用に回す選択肢も検討の余地があります。
「教育資金だから投資」「教育資金だから全部預金」と二極化で考えるのではなく、使いたい時期から逆算して準備方法を選びましょう。
NISAは「急いで使うための制度」ではない
NISAはあくまで、一定の投資における運用益を非課税にする「制度(箱)」に過ぎません。NISAを使ったからといって、投資リスクそのものが消えるわけではありません。
大切な意識: 「NISAだから安心」ではなく、「わが家の家計に無理のない範囲で、どう制度を活用するか」
投資額も「月1万円」からで十分です。SNSなどで「〇百万円運用中」といった投稿を見かけても、比べる必要はありません。
住宅ローンの有無、お子様の人数、働き方によって家計の最適解は一家庭ごとにすべて異なります。資産形成は他人と競うレースではないのです。
最初に考えるべきは「何を買うか」ではない
投資を考え始めると「どの商品が良いか」に目が向きがちですが、本当に最初に考えるべきなのは「何のために資産形成をするのか」という目的です。
子どもの大学進学費用
住宅ローンの繰り上げ返済
老後の生活資金
目的と時期が明確になれば、自ずと選ぶべき方法や無理のない金額が見えてきます。
もし自分たちだけで判断するのが難しいと感じたら、特定の商品を押し付けず、リスクや手数料まで親身に説明してくれる信頼できる専門家に相談してみるのも賢い選択です。
今日から始める「わが家」の未来設計
資産形成で最も避けたいのは、「周りがやっているから」と焦って無理な投資を始めることです。
まだNISAを始めていなくても、遅すぎるということはありません。
まずは家計を整理する
将来必要なお金を洗い出す
余裕資金の範囲で、できることから検討する
焦らず、コツコツ。 これが、子育て世帯の資産形成における最も確実な歩みです。
子どもの未来を考えることは、家族の未来を考えること。
まずは今日、ご家族で「これからのわが家のお金」について話し合う一歩から始めてみませんか?
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宮本新治
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