2021年02月09日
老人扶養控除って?
70歳以上の老人(一定の条件基準を満たしている)を扶養している納税者が老人扶養控除を受けることができる制度で、所得税控除を受けることができます。
同居している場合で利用している人が多いですが、
別居の場合でも控除対象となります。
※仕送りをしている場合
受けるための条件は?
以下項目を「全て」満たすことが条件となります。
① 70歳以上の老人扶養親族であること
配偶者以外の6親等以内の血族
3親等以内の姻族(婚姻によって親族となった人)
確定申告の対象となる年の12月31日現在、年齢が70歳以上であること
本人から見た血族(血の繋がった)以外の、妻(夫)側の親族を『姻族』と言います。
なのでAさん(夫)の奥様方、曾祖父母や甥姪まで入ります。
②2年間の「所得」が38万円以下であること
扶養親族の年間の合計所得が38万円以下の場合に適用されます。
公的年金などの金額-公的年金控除額=38万円以下(雑所得)
を満たしていれば『老人扶養控除』を受けられます。
例えば。。。
公的年金額が年間120万円までは所得金額がゼロとみなされます。
したがって、年間所得額が
(公的年金額の控除額120万円)+(老人扶養控除の対象となる上限年間所得金額38万円)の158万円以下の場合に、
老人扶養控除の対象となります。
・同居老親等以外の者・・・48万円
・同居老親等・・・58万円
※注意※
年収と所得では意味が全く違います。
年収:1年間の収入
所得:1年間の収入から必要経費(公的年金等控除・給与所得控除)を引いた金額
③納税者と生計を一にしていること
同居や別居に関わらず納税者が生活費を負担している場合には、
老人扶養控除が適用されます。
特に別居している場合は、常に生活費や療養費等の送金が行われており、それにより老人扶養親族の生計が維持されていることが必要です。
但し、【法令上は証明書など提出する必要はありません】が、銀行振込や現金書留などで送金している時は事実関係を確認する意味でも振込票や書留の写しなどの提出をすることをお勧めします。
④事業専従者でないこと
聞き慣れない言葉ですが、事業専従者とは「個人事業主」のことをいい、青色申告や白色申告で確定申告を行う方は、老人扶養控除の対象にはなりません。
②の収入について補足
(収入が年金のみの場合)
年金収入から所得を計算するには親ごとに
・65歳未満:70万円
・65歳以上:120万円
の公的年金控除を引いて考えます。
※公的年金控除とは、国が定めた概算の経費のことです。
つまり、年金のみの親の所得が38万円以下になる場合は
・65歳未満:年金収入が108万円以下(月 90,000円)
・65歳以上:年金収入が158万円以下(月131,666円)
※遺族年金・障害年金の場合、判定条含みません!
(税制上では非課税のため)
・老齢年金→含める
・遺族年金→含めない
・障害年金→含めない
(年金と給与がある場合)
年金収入から所得を計算するには
65歳未満→ 70万円
65歳以上→120万円
の公的年金控除を引いて考えます。
給与収入が103万以下の場合は、65万円の給与所得控除を引きます。
①年金30万円-70万円(65歳未満)=△40万円→所得0万円
②給料100万円-65万円=所得35万円
③合計所得:35万円
結果、所得が38万円以下なので扶養控除の対象になります。
①年金収入-公的年金控除=所得金額
②給料収入-65万円(給与所得控除)=所得金額
①+②
38万円以下=扶養対象
38万円以上=扶養対象外
国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1182.htm
知らないと損!
せっかくの制度、利用できるものは利用して行きましょう!
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ファイナンシャルプランナー
子供と家族の未来を考える会®
認定講師:岡田恭介