2022年01月28日
公的制度には、税金や介護費などの負担を軽減する仕組みがあります。が、その制度を活
用しているのは国民の3割程度です。制度を正しく理解し、活用すれば、100万円以上の支
出を抑え、数十万円の還付を受けることも可能です。
子供と家族の未来を考える会®認定講師(松本支部)、IFAの松沢先生に事例を交えて解説
していただきました。
相談者は関節リウマチが悪化し要介護認定を受けている63歳の女性です。
手指が変形して調理ができなくなりました。しかし、忙しく働く同居の娘には頼みづらく、
毎月5万円ほど負担し、ヘルパーに依頼していました。
健康な同居家族がいると、調理や清掃には介護保険が使えないからです。
しかし、相談者の収入は年間150万円の障害年金のみで、ヘルパーへの支払が困難でした。
そこで相談にいらしたのですが、娘さんが社会保険に加入していたので、
私たちは相談者に、娘さんの健康保険と税金の扶養に入ってもらいました。
結果、75歳まで年間7万円の国民健康保険の支払が不要になり、
税金の手続きを過去3年分行ったので、娘さんは50万円以上還付され、
さらに、今後も毎年20万円近い税金が軽減されるようになりました。
実は5年前にも、相談者は娘の健康保険の扶養に入れないか確認していました。
しかし、当時は障害年金は受給していませんでしたが、パート収入が150万円近くあり、
要件の130万円をオーバー。扶養には入れませんでした。
ところが、60歳以上または障害年金受給者であれば、扶養の要件は180万円まで上がります。
今回はそれを知っているかが鍵となりました。
要介護者が家族にいる方は、税金や介護費、医療費、各種保険料を払い過ぎている可能性があります。
知識の有無で暮らしは大きく変わります。
IFA 松沢俊介先生